1916年の開業から100年以上にわたり、横浜・野毛で営業を続ける「コテイベーカリー」。久しぶりに名物のシベリアを買ってみました。
「コテイベーカリー」について
「コテイベーカリー」は創業100年以上の老舗です。桜木町駅から3分ほど歩いた音楽通りにあります。
横浜市電の仕事をしていた初代が退職し、1916年(大正5年)に「日本堂」という屋号で創業。「日本堂」は横浜・吉田町にあったパン屋で、初代はここで修業していました。当時パン屋は徒弟制度で、修行をした店の名を名乗るのが習慣だったのです。
第2次世界大戦後、小麦粉が統制品となり、復員した2代目はパン屋として営業が続けられなくなりました。そこで屋号を「喫茶コテイ」に変え、しばらく喫茶店として営業を続けました。
統制が解除され、パン屋を再開する時に「コテイベーカリー」となりました。同店のホームページによると、「コテイ」はフランスの人名で、香水王のフランソワ・コテイ(1874~1934年)から、その名をとったそうです。
現在は、3代目に受け継がれています。
ジブリ映画『風立ちぬ』に登場した「シベリア」
「シベリア」とは、ようかんをカステラではさんだ昔懐かしいお菓子。 明治時代の後半から大正時代の初期に生まれたといわれています。ジブリ映画『風立ちぬ』に登場したことで、その存在を知った方も多いのではないでしょうか。
同店のホームページによると、当時は、どのパン屋でもシベリアが店頭に並べられていたそう。パン焼きがまの余熱を利用して焼いたカステラと、あんぱんに使うあんで作られていたからです。和菓子のようですが、パン屋で作られたのには、このような背景がありました。
しかし、製造に手間と時間がかかることから、いつの間にか、シベリアはパン屋の店先から姿を消していきました。
見た目とは裏腹にあっさりした味
「コテイベーカリー」のシベリア(税込400円)は厚さ約3cmの水ようかんが厚さ約2.5cmのカステラではさまれています。
見た目はヘビー級ですが、食べてみると、水ようかんもカステラも甘さ控えめで、意外とあっさりしています。水ようかんはプルプル、カステラはふわふわでした。
製法は創業当時のままで、水ようかんを手作りで仕込んだものを使用し、毎朝6時間かけて作っているそうです。
「コテイベーカリー」概要
住所:横浜市中区花咲町2-63
電話:045-231-2944
営業時間:9:00~18:00(祝は10:00~)
定休日:日曜(臨時休業あり)
URL:https://www7b.biglobe.ne.jp/~coty1916/
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