2024年3月に惜しまれながら閉店した「珈琲専門 猫廼舎(ねこのや)」が、2025年4月1日に鎌倉「自家焙煎珈琲 Shadore(シャドレ)」で1日限りの間借り営業をしました。もう味わえないと諦めていたコーヒーを求めて、「猫廼舎卯月朔日特別営業」へ駆け付けました。
「珈琲専門 猫廼舎」について
「珈琲専門 猫廼舎(以下、猫廼舎)」は自家焙煎、深焼き、ネルドリップにこだわったコーヒー専門店です。
2015年4月に東京・四谷で開業した同店は、コロナ禍での長期休業を経て2024年3月に閉店しました。閉店の経緯は店主・荻野淳也さんのブログをご覧ください。
「シャドレ」開店のきっかけとなったコーヒー
私が猫廼舎の存在を知ったのは2022年のこと。「Cafe Snap」の取材で「自家焙煎珈琲 Shadore(以下、シャドレ)」のオーナー・相原ひとみさんにインタビューした時でした。
~「Cafe Snap」記事より~
荻野淳也さんの淹れるコーヒーを飲んで、「それまで飲んでいたものは何だったのか」と衝撃を受けたそう。「実はそこで初めてネルドリップというものを知りました。ブラジルのプレミアムショコラ・ピーベリーをデミタスで出してもらったのですが、舌にまとわりつくようなとろみがあって。これまでに味わったことのない甘さを感じました」と、相原さんは振り返ります。
相原さんがコーヒーの道へ進むきっかけとなったのが、猫廼舎で飲んだネルドリップコーヒーで、相原さんは荻野さんの下で修業し、シャドレをオープンします。
その詳細は「cafe snap」の記事をご覧ください。
相原さんの話をうかがって、私もいつか荻野さんが淹れるネルドリップコーヒーを味わってみたいと思っていました。が、そのチャンスが訪れることはなく、猫廼舎さんは閉店されました。
シャドレでの「猫廼舎卯月朔日特別営業」へ
2025年3月下旬、猫廼舎のXで「猫廼舎卯月朔日特別営業のご案内」が発表されました。4月1日にシャドレで1日限りの間借り営業をするというもの。この好機を逃してなるものかと雨が降る中、シャドレに駆け付けました。
お店のドアを開けると、カウンターの中に荻野さんがいらっしゃいました。サポートスタッフの方と2名体制で営業されているようです。カウンター席は猫廼舎ファン?と思われる方々で埋まっていたため、窓際のソファ席へ。
テーブルの上には、この日のために作成されたメニューがありました。メニューをよく見ると、「ブラジル プレミアムショコラ・ピーベリー(深)」(税込1300円)があり、その下に「Shadore誕生のきっかけになった(らしい)という原点の味をデミタスでどうぞ」と書かれています。
相原さんの心を揺さぶった、このコーヒーを飲むしかないと思い、注文しました。
相原さんのコメント通りの味だった!
先に同行者が注文した「本日のブレンド(中深~深)」(税込900円)が運ばれてきました。一口飲ませてもらうと、通常のカフェで提供される“深煎り”を超える十分な濃さ。メニューにあった「本日の深煎りブレンド(深)」は、どれだけ濃いんだろうと思いました。
しばらくすると「ブラジル プレミアムショコラ・ピーベリー」のデミタスを荻野さんが運んできてくれました。
一口飲んでみると、とても濃いけれど口当たりが良いのです。ビターな味わいの中に芳醇な甘さを感じました。
相原さんのコメント通り「これまでに味わったことのない甘さ」です。深いのに甘い、この味を求めて猫廼舎さんへ通った相原さんの気持ちがよくわかりました。
シャドレの原点の味を自分の舌で確かめられ、良い機会になりました。
心残りは、カウンター席で荻野さんがコーヒーを淹れている様子をじっくりと観察できなかったことでしょうか。次のチャンスがあれば、カウンターに座らせてもらおうと思います。
「自家焙煎珈琲 Shadore」概要
場所:鎌倉市雪ノ下1-9-29 金子ビル2階
TEL:0467-37-3286
営業時間:12:00~18:00
定休日:不定休
URL:https://www.instagram.com/shadore_kamakura/
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