
新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)に2025年10月28日、「新道らぁ麺」がオープン! タイで最も予約困難といわれるラーメン店で、7年ぶり第6弾となる「逆輸入ラーメン」です。オープンに先立って開催された試食会で、同店のシグネチャーメニュー「新道らぁ麺」を味わってきました。
- 「新道らぁ麺」について
- 重層的な味を支える「かえし」と「香味油」
- 塩とも醤油とも違う、新たな淡麗系ラーメン
- 「ムール貝ライス」はマストで!
- 日本の最高峰のラーメン職人たちも支援
- 新横浜ラーメン博物館 概要
「新道らぁ麺」について

「新道らぁ麺」は2017年にタイのナコンパトム県のサラヤーという静かな町に創業したラーメン店。屋号には、誰も歩んでこなかった“味の道”を切り拓いていく、そんな決意が込められています。
店主のチャワポン・リーピパットパイブーン(通称:ジョー)さんは元エンジニア。30歳の時に日本へ留学し、東京で出会ったラーメンの奥深さに衝撃を受け、ラーメン店創業を目指しました。
ジョーさんの「最高のラーメンを作りたい」という思いを支えているのが、スパシット・ラパーティクル(通称:デュー)さんです。デューさんは麺の奥深さに興味を持ち、日本で麺づくりの技術を学び、製麺機を購入、日本からさまざまな種類の小麦粉を輸入し、納得のいく麺づくりを目指しています。

そんな2人がつくるのは、日本の技とタイの気候・素材を融合させた一杯。現在は予約開始と同時に満席となり、「タイで最も予約困難なラーメン店」と称されるほど。
そんなタイの超人気店が、ラーメン文化を通じて国境を越えた技術と情熱を融合させる“逆輸入ラーメン”第6弾として、ラー博に出店します。
重層的な味を支える「かえし」と「香味油」

見た目は、オーソドックスな淡麗系ラーメン。しかし、スープをひとくちすすると、これまでに味わったことのない、重層的な味わいにビックリ!
それを実現しているのは、「かえし」と「香味油」にあるとのこと。
「かえし」は、大量のあさりを煮干し、羅臼昆布、干し椎茸の和風出汁で煮込み、高濃度に煮詰めたあさり出汁をベースに、タイの食文化を象徴するナンプラー、オイスターソース、そして数種類の高級国産生揚げ醤油を絶妙にブレンドしたもの。
「香味油」は2種類を使用。大量のムール貝をじっくり揚げる“ムール貝油”と鶏油に煮干しを加え、じっくり香味を移した“煮干し油”です。これらを組み合わせることで、スープの透明感を損なわず、香りの層が何段にも重なるような立体的な味わいを生み出しています。
塩とも醤油とも違う、新たな淡麗系ラーメン

スープは名古屋コーチンの丸鶏・鶏ガラ、豚肉、そして大量のあさりから取ったスープに、羅臼昆布と干し椎茸で取った和風出汁を重ね合わせています。動物系と魚介系が融合した、透明なスープです。
ナンプラーはひっそりと見え隠れする、控えめな印象。イワシ・塩・砂糖のみを原料としており、保存料・化学調味料不使用で24カ月熟成させた最高級品だそうです。
それよりもムール貝の存在を強く感じるスープでした。店主さんに伺うと、ムール貝はタイではポピュラーな食材、とのお話でした。
麺は北海道・美瑛産「春よ恋」を中心にブレンド。旨味がありながらも滑らかな中細ストレート麺です。重層的なスープがしっかりとからみつきます。

具材は、2種類のチャーシュー、青ネギ、穂先メンマがトッピングされています。
「豚肩ロース」はオイスターソースと醤油でマリネし、低温でじっくり火入れしたもの。もう一方の「豚バラチャーシュー」は、厳選された醤油にきび糖の自然な甘味を加えた、アジア的な旨味チャーシューです。

タイ料理の「甘・酸・塩」の三味+「辛」と日本の出汁文化を融合させた、塩とも醤油とも違う、新たな淡麗系ラーメンと出会ったように感じました。

「ムール貝ライス」はマストで!

メニューは、「新道らぁ麺(レギュラー1200円、ミニ680円)」と「スペシャル新道らぁ麺(1700円)」。サイドメニューとして「ムール貝ライス(500円)」と「煮卵(200円)」「特選海苔(3枚、300円)」が用意されています。ビールは「シンハービール(800円)」「チャンビール(700円)」の2種類があります。
「ムール貝ライス(500円)」は、タイ米を使用。仕込みで使ったムール貝をペーストにしたものと酸味のある玉ねぎのマリネ(?)が添えてあります。かき混ぜて食べても、ラーメンスープを入れてもOKとのこと。「この玉ねぎをラーメンに入れてもおいしいですよ」と、教えてくれました。
数量限定ですので、メニューにあれば、ぜひお試しを。
日本の最高峰のラーメン職人たちも支援

ラー博への出店にあたり、支那そばや・佐野しおりさんが人員・食材面で全面バックアップ。「こんなに真剣にラーメンと向き合う職人に出会ったのは久しぶりです。彼らのその想いに心を動かされました」とコメントしています。
また、ジョーさん、デューさんが飯田商店で研修をさせてもらった縁から、飯田商店の店主・飯田将太さんもオープン前に何度も試食し、アドバイスをおくったとのこと。試食会にも姿を見せていたので、ビックリしました。
日本の最高峰のラーメン職人たちも支援し、タイのラーメン文化を変えた、“逆輸入ラーメン”。タイの風を感じる、新たな淡麗系ラーメンをぜひ味わってみてください。
新横浜ラーメン博物館 概要
住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
入場料:大人450円、小中高生100円(高校生は写真付き学生証提示で割引)、シニア(65歳以上)100円、小学生未満無料 ※このほか、6ヶ月パス(500円)、年間パス(800円)があります
営業時間:平日 11:00~21:00、土日祝 10:30~21:00 ※変動する場合あり
アクセス:JR新横浜駅より徒歩5分、相鉄・東急新横浜線、横浜市営地下鉄 新横浜駅10番出口から徒歩1分
URL:https://www.raumen.co.jp/
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