ヨコハマトリエンナーレ2014に出展された「やなぎみ
さて、そのデコトラが、2016年、ついに、横浜に帰ってきましたー! やなぎみわさんの演出によって「日輪の翼」が舞台化され、KAAT神奈川芸術劇場とともに演劇プロジェクトを立ち上げて、横浜赤レンガ倉庫で野外公演が行われる運びとなったのです。日程は6月24日(金)〜26日(日)。デコトラの勇姿を撮影するべく、リハーサルのようすを取材させていただきました。
あぁ。感無量です(涙)。2014年から見守ってきたデコトラが、再び横浜に……! 今回は建物の中ではなく、潮風が感じられる屋外。めちゃめちゃ横浜らしいロケーションでの晴れ舞台ではありませんか!
「日輪の翼」の原作者は、46歳の若さで亡くなった中上健次(なかがみ けんじ)。2016年は生誕70年にあたるそう。ストーリーは、住み慣れた熊野の〈路地〉から立ち退きを迫られた老婆(=オバ)たちが、同じ〈路地〉出身の若者・ツヨシらが運転する冷凍トレーラーに乗って流浪(るろう)の旅にでるというもの。
オバと若者たちは、熊野から伊勢、諏訪、皇居と、さまざまな“聖地”を巡っていきます。御詠歌を唱え、神々との出会いに至福を分かち合い、“聖地”を掃き清めるオバたち。一方で若者たちは、女漁りに奔走し、性の饗宴を繰り広げ……。
「日輪の翼」を中心に、中上健次の「紀伊物語」「千年の愉楽」から、〈路地〉にまつわるエピソードが挿入されています。
俳優だけでなく、クラウンや歌手、バンド演奏、鳥の鳴き声を真似するボイス・パフォーマー、ロープを使って空中を舞うサーカス・パフォーマー、妖艶なポールダンサー、タップミュージシャンなどが登場し、あれよあれよという間に、第一幕70分、第二幕65分の舞台が終了となりました。
ストーリーに合わせるように翼を広げ、たたむデコトラ。静かに暮れて、暗くなった横浜の空。いろいろな思いがこみあげてきて、終演後にうるうるしてしまいました。
当日券が若干数、販売される予定とのこと。横浜赤レンガ倉庫だからこその演出、その日限りの舞台を体験してみては。
■KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
やなぎみわステージトレーラープロジェクト『日輪の翼』
日時:2016年06月24日(金)~06月26日(日)開場18:00、開演18:30
場所:横浜赤レンガ倉庫 イベント広場
チケット:当日4500円
上演時間:一部約70分、休憩10分、二部約65分、終演予定20:55
※野外公演のため、急な天候の変化により中断することもあり
3日間の横浜公演を終えると、中上健次のふるさとである和歌山県・新宮、香川県・高松、大阪へとデコトラの「ロード舞台」の旅は続くのです!
▼ヨコハマトリエンナーレ2014の「デコトラ」の記事はこちら