新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)が2024年に迎える30周年に向けて、2022年7月1日から「あの銘店をもう一度」プロジェクトをスタート。過去に出店したことのある約40店舗の銘店が2年間かけ3週間のリレー形式でラー博に出店する、ラー博史上最大のプロジェクトです。
11月7日からは、並行して1994年の創業メンバーがリレー形式で出店する「あの銘店をもう一度“94年組”」がスタート。その第1弾となる東京・目黒「支那そば 勝丸」に行ってきました。
東京・目黒「支那そば 勝丸」について
94年組の第1弾となる、東京・目黒「支那そば 勝丸」は、創業者 後藤勝彦さんが1972年に軽トラックを改造した移動式屋台でラーメン店を開業したことからスタート。その後、念願のお店を持つこととなり、1992年、現在の目黒に本店が映りました。
ラー博へは、創業メンバーとして、1994年3月~2003年11月まで約10年間出店しました。
80歳を迎えた後藤さん。ラーメン職人歴50年の集大成として、今回のラー博への出店を引退に向けた最後の舞台として考えおり、「これまで培ってきた技術や知識、そしてラーメン店を始めたころの情熱、その全てを1杯のラーメンに注ぎたいと思います」とコメントしています。目黒の本店を一時閉店し、ラー博に出店しています。
「勝丸」の原点、マイワシの煮干しスープを提供
後藤さんの原点は「煮干し」スープにあるといいます。今でこそ、煮干し感の強いスープはジャンルのひとつとして確立されていますが、30年前は「煮干しくさい」とスープを残す方が少なくなかったそう。煮干しの香りが強い「マイワシ」からマイルドな「カタクチイワシ」に変えてから、徐々に受け入れられ、繁盛店となったのだとか。
今回のラー博出店では、原点ともいえる「マイワシ」の煮干しを使った「極上煮干しラーメン」を提供します。
私が訪れた際のメニューは「極上煮干しラーメン(正油)」「極上煮干しラーメン(ミックス)」「ゆず塩ラーメン」の3種類。種類によってミニ、大盛り、焼豚が用意されています。極上煮干しラーメン(正油)をチョイス。
店内のディスプレイを眺めながら待っていると、ラーメンが運ばれてきました。
まずはスープを一口。煮干しの香りがたっていますが、風味はさほど強くなく。豚骨、鶏の風味が前面に出ているような。
「これでいい、これがいい」とつぶやいてしまうような、“普通”においしい、懐かしさを感じるスープです。
唯一無二、独特のちぢれ麺
創業時から変わらない、独特のちぢれを持つ麺は、長年、ファンに愛されています。一般的な「ちぢれ麺」とはちぢれの間隔や具合が異なるため、口の中で麺が「踊る」ような感覚を味わえるとのこと。
麺をすすると、確かにはねるような動きをします。少し幅広で弾力のある食感。スープにもよくからみます。
焼豚、うまい! 焼豚麺にすればよかった!鹿児島県産の黒豚もも肉を使っているとのことです。
令和の時代、オーソドックスなしょう油ラーメンがおいしく味わえるとは。ある意味、貴重かもしれません。
東京・目黒「支那そば 勝丸」の出店期間は11月7日~翌2月26日(予定)となっています。
「あの銘店をもう一度」プロジェクトの第8段(11月25日~12月15日)は久留米「大砲ラーメン」、第9弾(12月16日~1月9日 ※12月31日、1月1日は休館)は八戸麺道 大陸、第10弾(1月10日~1月30日)は高知・須崎「谷口食堂」となっています。
新横浜ラーメン博物館 概要
住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
入場料:大人380円、小中高生・60歳以上100円 ※このほか、6ヶ月パス(500円)、年間パス(800円)があります
営業時間:平日 11:00~21:00、土日祝 10:30~21:00 ※変動する場合あり
アクセス:JR新横浜駅より徒歩5分、横浜市営地下鉄 新横浜駅8番出口より徒歩1分
URL:https://www.raumen.co.jp/
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