横浜ウォッチャー

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爆音と白煙の下からサクラの花が!「蔡國強展」火薬ドローイング制作風景公開

2015年7月11日~10月18日まで横浜美術館で「蔡國強展:帰去来」が開催。蔡國強(さいこっきょう/ツァイ・グオチャン)氏の代表的な手法である「火薬ドローイング」の制作風景が、6月20日に報道陣に公開されました。

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▲火薬ドローイング制作風景を公開した蔡國強氏

 

蔡國強氏は、いま、最も旺盛な創作活動を展開する現代美術家のひとり。日本では7年ぶりとなる大規模個展となります。

 

「火薬ドローイング」とは、火薬を爆発させてカンヴァスや和紙に色を定着させて描く作品です。今回は、和紙に描かれた下絵に合わせて型紙を切り出し、その型紙に沿って火薬を仕込み、その上に厚紙、段ボールを重ねてあるとのこと。導火線に着火すると、爆音の後、もうもうと白煙が舞い上がりました。→動画は別ブログ

 

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▲段ボールの下には、火薬で描かれた絵が隠れています

 

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▲「火薬ドローイングの場所を探していて、蔡さんは『ここ(=横浜美術館)でやればいいじゃないか』と準備を進めてきました。グランドギャラリーの床が石でできていたため、火薬を使う許可が下りました。設計者の丹下健三さんが石造りにしてくださったおかげです」と、逢坂館長があいさつで述べていました

 

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▲導火線に火が着いたかと思ったら、一瞬にして全体に火が走り、白煙に包まれました

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▲消火活動を行うボランティアの皆さん

 

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▲段ボール、厚紙をとっていきます

 

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▲下絵をかたどった型紙を取ると、サクラの花が現れました!

 

作品名は《夜桜》。公開されたのは作品の右部で、8×24メートルという巨大な作品になる予定です。蔡氏が制作してきた火薬ドローイングの中では過去最大サイズとなり、横浜美術館のグランドギャラリー(エントランス)の半径スペースを埋めるように天井から展示されます。どんな風に完成するのか、楽しみです!

 

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▲これは作品《夜桜》の右側の部分。全体は8×24メートルの作品になります

 

火薬は空輸できないため、展覧会ごとにその国の素材を使用するとのこと。「火薬は思い通りに扱えません。毎回、新しい難しさ、おもしろさがあります。火薬の質や気候、その国のボランティアたちと相談しながら作品を制作しています」と、蔡氏はインタビューで答えていました。

 

今回の火薬ドローイング制作に使用された火薬は、神奈川新聞花火大会でおなじみの「横浜山田の花火」が手配されたそう。蔡氏によると「日本の火薬は不純物が少なくて質が高いため、完全燃焼して色が定着しづらいという特徴があります。今回は、黄色を強く出したかったので漢方を混ぜました。温泉みたいな硫黄の匂いがするでしょう?」とのお話でした。

 

今回、サクラの花をモチーフにした理由は、「横山大観など日本の絵画の先輩たちは、皆、サクラを描いています。火薬でやわらかなサクラを表現したい、と、挑戦しました。また、火薬という暴力的なものとサクラの花は対極にあるもの、一瞬で爆発する火薬とサクラは似ているもの、と感じたからです」(蔡氏)

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▲記者の質問に答える蔡國強氏

 

「蔡國強展:帰去来」は、今回の火薬ドローイングのほか、横浜で新たに制作する作品や日本初公開となる近年の代表作《壁撞き(かべつき)》などで構成されます。「ゼッタイ、行く」という方は、前売りチケットがお得です。公式サイトをチェックしてください。

 

■蔡國強展:帰去来(ききょらい)
期間:2015年7月11日(土)~10月18日(日)
場所:横浜美術館
開館時間:10:00~18:00
※9月16日、9月18日は20:00まで
※入館は閉館30分前まで
休館日:木曜日
料金:一般1500円、大学・高校生900円、中学生600円、小学生以下無料
※前売は200円引き、7月10日まで販売
※毎週土曜日は高校生以下無料

yokohama.art.museum