3月の新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)は新店ラッシュ。3月1日にオープンした「利尻らーめん 味楽」は連日行列ができる人気ぶりです。続いて、3月16日には、アメリカのニューヨーク・ブルックリンからやって来る“逆輸入ラーメン”の店「YUJI RAMEN(ゆうじらーめん)」がオープン! 看板メニューの「ツナコツラーメン」、一体どんな味?
追記:2018年9月24日にラー博を卒業、東京・清澄白河に出店されました⇒
YUJI RAMEN Tokyo - 清澄白河 | ラーメンデータベース
▲ラー博「YUJI RAMEN」の入口。看板のロゴがカワイイ!
“逆輸入ラーメン”とは、海外で独自に誕生し、地元で支持を得ているラーメン店をラー博で紹介するというもの。その第4弾となる「YUJI RAMEN」は、ラーメンの激戦区といわれているニューヨークで人気のラーメン店です。店主の原口雄次さんは、長年、アメリカで魚の卸に携わってきた魚のプロフェッショナルで、現在は2つの店舗で3つの業態を展開しています。
▲店主の原口雄次さん
アメリカのボストンで魚の卸の会社に就職した後、2012年に「YUJI RAMEN」をオープン。その後、2014年にニューヨーク近海でとれた魚を使った一汁三菜の和定食を提供する「OKONOMI」をオープン。「YUJI RAMEN」と「OKONOMI」は同じ店舗で、昼に残った魚のあらを使って、夜にラーメンを提供しています。
2016年には別店舗で、刺身用の魚を購入でき、魚の下ろし方や料理方法が学べる料理教室を兼ね備えた「OSAKANA」をオープン。アメリカに、魚に対する価値観や知識、料理方法を浸透させたいと奮闘しているそうです。
原口さんは「Honor Your Fish~お魚を大切に~」という言葉をスローガンとし、有効活用されていない魚のあらを、技術と知恵、工夫によって高いクオリティに仕上げ、食材廃棄問題の解決策として、提案し続けています。ラー博の店舗では、神奈川県・三崎港で出るマグロのあらを使って「ツナコツスープ」を作っています。
ツナコツスープは、マグロのあらをオーブンでこんがりとローストして、それを昆布だしに入れて強火で炊き上げ、白濁させたもの。豚骨や鶏ガラなどの動物系素材は一切使っていないのに、ゼラチン質をたっぷり含んだスープになっています。生醤油、酒粕などを使ったタレをツナコツスープで割っています。「調味料は無添加のものを使っていますので、“身体が喜ぶラーメン”です。お子さんも安心して食べられます」と、原口さんは言います。
「ツナコツラーメン(900円)」のほかに、「自家製ベーコン&エッグ(980円)」「季節野菜と麦味噌(980円)」という2種類の「まぜめん」も提供しています。「自家製ベーコン&エッグ」からの「ツナコツラーメン」のはしごを楽しみました。
▲自家製ベーコン&エッグ まぜめん(980円)
麺は平打ち縮れ麺。トッピングは、温泉玉子、自家製ベーコン(完成までに1週間かかるそう!)、ニンニクチップ、鰹節、ケール。ガッツリまぜていただきます。コシの強い麺、風味豊かなベーコン、苦みのないケール、香ばしいニンニクチップ、マイルドな温泉玉子ですべてがまとまって……。鰹節がアクセントになっています。「間違いない!」おいしさで、ずるずるずるっと食べてしまいました。カルボナーラっぽくなく、さっぱりとした味わいです。
▲ツナコツラーメン(900円)
続けて、ツナコツラーメンを。ひと口目のスープは「魚!!!」という印象。マグロ独特の臭みはありません。麺は細いストレート麺。まるで博多の豚骨ラーメンのような麺です。麺がスープをどんどん吸っていく感じ。力強い味わいのスープとの相性はバッチリです。
トッピングは、チャーシューのような「マグロのハラモ」、きざみ海苔、白髪ネギ、ゴマ。マグロのチャーシューも臭みは一切なく、トロっとしていてあっさりとした味わいです。
食べ進めていくうちに、柚子胡椒の風味が強くなっていきます。底にしのばせてある感じ。あっという間にスープまで飲み干してしまいました! 他の魚介系スープとは、ひと味もふた味も違うラーメンでした。
▲丼の底には「YUJI RAMEN」のロゴが! この丼、メイド イン ニューヨークなんですって。ニューヨークの陶芸家 ジョーダンさんが焼いた「YUJI RAMEN」のオリジナル丼です。窯は栃木県益子焼の大御所の方がニューヨークに築いたそう。丼も逆輸入!?
▲カウンターの壁面に使われているのは「大谷石(おおやいし)」。原口さんの故郷・栃木県宇都宮市で採掘される石材で、原口さんの希望で採用されました
▲厨房に潜入させていただきました。アメリカから日本に来たスタッフが「季節野菜と麦味噌まぜめん」を作っているところ。こちらも美味しそう~♪ 次回はぜひ食べてみます! ちなみに、まぜめんの具材(自家製ベーコン、温玉、野菜)を全部のせた「Oh!マイまぜめん(1350円)」もあります
原口さんは「『日本にはツナコツラーメンはない、ぜひ紹介したい』と言われ、出店を決意しました。魚を余すところなく使ったラーメンを食べてもらい、“MOTTAINAI”の精神を多くの人に伝えられれば」と、強い気持ちを語ってくれました。
魚への愛が感じられる「ツナコツラーメン」。ぜひお試しあれ!
▲「利尻らーめん 味楽」は連日大行列!