花と緑にあふれる都市「ガーデンシティ横浜」を推進するリーディングプロジェクトとして、市民や企業と連携して横浜市が展開している「ガーデンネックレス横浜2019」。
今年は、開港以来、横浜市民に親しまれてきたバラを主役にした新たなイベント「横浜ローズウィーク」を横浜開港月間(5月3日~6月2日)と同時期に開催し、開港160周年の横浜を彩ります。
▲「ばらフェスタ2019」オープニングイベントに登壇した宝塚歌劇団 花組の芽吹幸奈(めぶき ゆきな)さん(左)と瀬戸(せと)かずやさん(右)、林文子横浜市長(中央)
その「横浜ローズウィーク」初開催を記念し、兵庫県宝塚市から「ベルサイユのばら®」他2品種の苗木が横浜市に寄贈されました。横浜市と宝塚市は、横浜市で実施した「宝塚市観光キャンペーン」を契機に親交が深まり、今回の寄贈につながったとのことです。
「横浜ローズウィーク」の目玉イベント「ばらフェスタ2019」のオープニングイベントに、宝塚市および応援団として宝塚歌劇団 花組の芽吹幸奈さんと瀬戸かずやさんが来浜。バラ苗寄贈セレモニー&トークショーが行われました。
バラ苗寄贈セレモニーでは、植木のまち宝塚市が誇る、バラ苗生産・卸売・育種業者「有限会社 確実園本園」作出の「花の道・タカラヅカ」「セレッソ」 各1株と、フランスのバラ育種の名門「メイアン社」作出の「ベルサイユのばら®」シリーズ6品種のバラ苗、全8株が寄贈されました。
▲宝塚市 産業文化部 宝のまち創造室 政処 剛史(まどころ たけし)室長が苗の目録を林市長に手渡しました
▲寄贈された8株は山下公園に植えられる予定
トークショー「ベルサイユのばらに秘めた愛」レポート
トークショーでは、芽吹さん、瀬戸さんが、宝塚を代表する演目「ベルサイユのばら」や6月に控える横浜公演への意気込みについて語りました。
▲200席に約1000人が応募
司会「本日は、宝塚歌劇団の芽吹幸奈(めぶき ゆきな)さん、瀬戸かずやさんにお越しいただきました。とっても素敵な衣装ですね!」
瀬戸「はい、バラが……あっ、イス高いね、ちょっとね。あ、ありがとうございます」
(イス調整後、お二人のプロフィール紹介)
司会「芽吹さんは花組の副組長になられて」
芽吹「はい、まだなりたてホヤホヤ(4月29日に就任)なんです。花組のためにベストを尽くしてまいります」
横浜の印象について
司会「横浜の印象はいかがですか?」
芽吹「宝塚の公演でも来たことはあるんですが、ゴールデンウィークに家族と愛犬を連れて横浜に来ました。ワンちゃんにやさしい街だなと。シーバスに乗って、横浜赤レンガ倉庫に行きました。お花がたくさん咲いていて、きれいな街だなと。今日も山下公園を回ってきたんですけど、お散歩日和で。すっごくステキです」
瀬戸「私は海がすっごく好きなので。港町の景観が……赤レンガからの。また、元町のほうにつながる景観だったり。『ああっ、横浜に来たな』って、風を感じながら。大好きな街です。昨年の12月に横浜で公演があったのですが、元町から住宅街の方へ、ひとりでぶらっと歩いてみました。教会やら、港の見える丘公園やら。景色をぼーっと見ながら散歩したのですが。穏やかで温かくて。情感があって。緑が多くて、優しい街だなという印象があります。休演日だったので、帽子とマスクを着用して、ぼや~っと歩いていました。不審者だと思われたかも(笑)」
バラは2万種あると聞いてビックリ
司会「今日は『ばらフェスタ2019』のオープニングなのですが、おふたりはバラはお好きですか?」
芽吹「はい。先ほど会場を回らせていただいたのですが、“バラ”といってもこんなにたくさんの種類があるんだなと。赤いバラの中にもたくさん種類があるなあ、と」
瀬戸「2万種ほどバラの種類があると聞いて、そんなにあるのを知らなかったので、バラの知識も増えるんじゃないかと、楽しく見せていただきました。バラの香りで……女性ホルモンが……(会場笑い)ね。皆さん、ご堪能いただければな、と。食べもの、サプリメントなどもありますよね。私は使ってないですけど(笑)」
司会「おふたりは花組に所属されていらっしゃいますけど、花組の花のイメージは、どんな花でしょうか?」
瀬戸「そうですね……。この花です! と言い切るのは難しいですが、私が思う花組は、“明日海(あすみ)りお”という大輪の花を咲かせたトップスターさんがいらして、一人一人が個性豊かで勢いがあって、輝いている。そういう個性が集まって、いろいろな花を咲かせているんだけども、一つにまとまると『なんて美しい……!』と。(このイベント会場のように)さまざまなバラが咲き乱れていて、遠くから見ても、近くで見ても美しい。花組も咲き誇っている今、いい時期なんじゃないかなと思います」
芽吹「時期といえば……、会場内に切花の品評会のコーナーがあって。その日に合わせて、その日に美しく咲いていないと、選ばれたものしか展示できないと聞きました。私たちの、舞台に賭ける思いと共通しているなと思いました」
『ベルサイユのばら』について
司会「先ほど『ベルサイユのばら』のバラを贈呈いただきましたが、お好きなデザインのバラはありましたか?」
芽吹「私はオスカル様の白いバラが好きで。純白の。かっこいいですよね」
瀬戸「情熱の真っ赤なバラも好きですが……、奥にあるフェルゼンの紫色のバラもなかなかセクシーだなと思います。宝塚の花の道にもたくさん咲いていますので、ぜひ皆さん、宝塚にも来ていただければと」
司会「『セクシー』がウケているようですが(笑)」
瀬戸「はい、先月までやっていた『CASANOVA』の(左手を顎近くで動かすしぐさ)役で言っていたものですから(笑)」
司会「『ベルサイユのばら』といえば、台湾公演はいかがでしたか?」
芽吹「とにかく、熱気がすごかったです。客席の。拍手とかもノリノリで。『ベルサイユのばら』ということで、宝塚ならではの大きなバラのセットだったり、お衣装だったり。言葉が通じないということがあっても、美しいものは世界共通なんだなと。思いというものは伝わっているのかなと」
瀬戸「お客様にとっても『ベルサイユのばら』というのは思い入れの深い作品だと思うんですけど、我々演者にとっても、歴史ある『ベルサイユのばら』に携われたことというのは、幸せで光栄なことだなと思いました。『タカラジェンなんだ、私』って(笑)。ベルサイユ♪という歌とかをね、うろ覚えですけど(笑)、歌われた時には、私自身もぶわっと鳥肌が立ちましたし。台湾の劇場って、4階席まであって。たいへん大きな劇場だったんですけど、歓声が……降ってくるという、すごい体験をしました。たいへん温かく、熱気あふれる歓迎をしてくださったので、日本の方のみならず、海外の皆さまにも『ベルサイユのばら』を、宝塚を愛してくださっていることを実感しました。すごくうれしいことです」
芽吹「うれしいですね。ホント、感動しました」
瀬戸「拍手だけでなく、ひゅ~とか、わぁ~とか、歓声も降ってくるので。いい調子にさせてくれるというか。どこかのアイドルにでもなったみたいな。『ありがとう!』みたいな、調子に乗ってしまいました(笑)。日本のお客様は……、しっかり噛みしめて、こう胸に刻んでくださるようなアツい思いが伝わってくるのですが、海外の皆さんは、『わ~っ』と言ってくれる、その差がすごくて。それぞれの良さがあるんじゃないかな、と私は思っています」
司会「日本の方というのは、穴が開くほど見つめて……」
瀬戸「はい、私もいつも、穴が開くほど見てください、と」
司会「台湾公演では、観光する時間というのはあったのでしょうか」
芽吹「夜公演が多かったので、あまり時間はなかったのですけれど、最終日だけ時間がありまして。写真を撮ったり」
瀬戸「夜市に行って、小籠包を食べたり。台湾の夜を満喫させていただきました」
司会「お土産は何か買われましたか?」
芽吹「パイナップルケーキを……」
瀬戸「いろんな店のを買いました。私たち、しばらくパイナップルケーキブームが(笑)」
芽吹「いっぱい種類があったので、どこのが美味しい、というのを、毎日、みんなで」
司会「えっ、皆さん、ご自分で召し上がられたんですか?」
瀬戸「あ、はい。お土産用もありましたが……、ご自身でも(笑)、いただきました。なかなかにカロリーが高いので……、気を付けないといけないですね。(会場に向かって)皆さん、お気をつけください。でも、美味しいですね」
司会「スリムでいらっしゃいますけど、体形維持の方法は? やはりお稽古で」
瀬戸「そうですね、稽古でたくさん動きますので。発散して。美味しいものを食べて、発散して、の繰り返しです。鍛えなければいけないな、と思いつつ。歯ブラシの間にスクワットをしてみたり」
司会「えっ、どんな風にされるんですか?」
瀬戸「ご想像におまかせします(笑)。皆さんもいろいろなスクワットを……」
司会「想像しないといけないんですね(笑)」
花を題材にした演目について
司会「宝塚には『ベルサイユのばら』のほかにも、お花を題材とした演目がいろいろとありますけど、思い出深い演目というのはありますか?」
瀬戸「そうですね……。最近はお花の題材の演目が続いていまして、赤坂ACTシアターで『ハンナのお花屋さん』という、お花屋さんをテーマとした作品だったのですが、私は一切、お花に触れない役だったので、少し残念だったなと。フラワーアレンジメントをするシーンとかもあったのですが。それを眺めているという。お花って、癒してくれるものだなとその作品を通して感じました。その後は、『ポーの一族』という、バラを題材とした作品では、個性の強い……」
芽吹「霊媒師の……役だったんですけど(笑)」
瀬戸「あの時は、お花に触れてたかな?」
芽吹「ポーの一族の方々は、バラを食べるんですよね」
瀬戸「そうそう、バラからエナジーを吸い取って、おのれのパワーにするという。何千年も生き続けるという、そういう一族だったので。開演前に、トップの明日海さんがバラのお祓いをしてくれまして。バラを一輪持って登場されるんですけど、こう頭を下げて。明日海さんがバラを振って。今日も無事に舞台がつとまりますようにという、バラの洗礼を毎日受けておりました。ね?」
司会「トゲは当たりませんでしたか?」
瀬戸「トゲは……当たりませんでした。美しいバラにトゲがあるというのは、なかなかステキですよね? 情熱的だと思います。鋭さもあって。ただ美しいだけではないなという。強く根を張って。だから美しい花を咲かせるんだなと。今日のイベントを見て、すごく思いました」
司会「ファンの方からお花をいただくことが多いかと思いますが……?」
芽吹「お花をいただくとうれしいって思いますね。ウチに飾ったりすると、空間が華やかになるし。香りでも癒されるし」
瀬戸「楽屋にも、娘役さんの方のお部屋にお花を置いてくださることもあるので。素敵だなと思って見ています」
司会「瀬戸さんは、お部屋にお花を飾ったりすることは……?」
瀬戸「お部屋にお花を飾ろうと……買いました(笑)。それが……次につながらないので。しっかりお花を愛でるお部屋にしたいな、という理想はあります」
司会「男役ですから。お花を贈るほうですかね?」
瀬戸「そう……ですね(笑)」
『ばらフェスタ2019』で印象に残った展示は
司会「今回の『ばらフェスタ2019』をご覧になって、印象に残った展示はございましたか?」
瀬戸「私は『禅と薔薇の一期一会』のコーナーが印象に残っています。盆栽の。靴を脱いでおあがりください、という。急ぎ足で見たので、ゆっくりと見たいです。1時間でも2時間でも見ていられるなという。こういうバラの展示方法もあるんだなと。表現の仕方というか、新しい発見と、驚きと。思わず写真を撮ってしまいました。皆さま、1時間でも2時間でも……後ろがつかえない程度に見ていただければ、と。心が癒されるというか、日本人の心というか。庭園みたいな景色というか。ミニバラの盆栽も。ふわぁっと心が緩んでいく。すごく不思議な力があるなと感じました。盆栽でバラを表現するというのが、すごく楽しいなとも思いました」
▲禅と薔薇の一期一会
芽吹「私は、先ほども少しお話ししましたが、切り花の展示のところが、すごくこんなにたくさん種類があるんだなと。そして、すべてがきれいに咲き誇っていて。香りにも癒されましたし。あそこで、一輪一輪を眺めていたいです」
▲2019ローズコレクション
司会「妖精のお庭もご覧になりましたか?」
瀬戸「はい。すごいかわいくて」
芽吹「ちょうど次の公演が、明日海さんが青いバラの精の役で。このような世界観になるのかなと」
瀬戸「一足先に見てしまったような。すごくかわいらしい……」
▲妖精が棲む庭
司会「次の公演のお話が出ましたが……横浜でも……」
瀬戸「はい、次の横浜公演は、6月25日、26日、横浜アリーナにて2日間、明日海りおさんのコンサートとして『恋スルARENA』をさせていただきます」
▲会場内にある明日海りおさんのフォトスポット
(拍手)
芽吹「これからお稽古を……」
瀬戸「これだけの規模で行う公演というのは、なかなかないので、どんな景色になるのかなと。どんな構成になるんだろうと。どんなことをさせてもらえるんだろうと。皆さまと同じぐらい、私たちもわくわくしているところなので。しっかりと、アツく、大胆に、パワフルな、華やかな2日間になると思いますので、しっかりと稽古に励んでいきたいなと思っています」
司会「まだ中身は……?」
瀬戸「はい、わからないんです」
司会「チケットは……(会場を見る)……完売?」
瀬戸「ありがたいことです」
司会「では、最後になりますが、『ばらフェスタ2019』と『恋スルARENA』を、宝塚歌劇団風にPR、お願いします」
芽吹「ばらフェスタ2019に癒されて……」
瀬戸「『恋スルARENA』横浜アリーナで待ってます!」
芽吹「本日は、会場に来られなかった方も大勢いらしたと聞いております。このイベントに参加させていただたことを光栄に思っております。また横浜に、公演でも来たいですし、たくさん遊びにも来たいです」
瀬戸「すてきなイベントに参加できて、こういうトークショーという形で皆さまとお会いできたことも新鮮で、楽しませていただきました。横浜をあげて、街中がお花が咲き乱れていて。ぜひ散策を。横浜を愛し、宝塚を愛し、がんばっていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました」
■ばらフェスタ2019 開催概要
2019年に初公開される最新品種のバラを紹介する他、日本を代表するガーデンデザイナーやフラワーアーティストによる展示(上画像)、「ガーデンネックレス横浜2019」のアンバサダー三上真史さん他「趣味の園芸」講師によるステージイベントなどを行います。
▲飲食を販売するスイーツ&カクテルコーナー。画像は「まいど屋アフロ珈琲」
期間:2019年5月15日(水)~5月19日(日) 9:30~17:30(入場は17:00まで)
場所:大さん橋ホール(横浜市中区海岸通1-1-4)
料金:当日券1500円 ※小学生以下無料
■ガーデンネックレス横浜2019
gardennecklace.city.yokohama.lg.jp
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