カフェ巡りの師と仰ぐ元マスター(⇒こちら)が「行ってみたいカフェ…、喫茶店があるのですが」ということで「季節の喫茶 吉住(よしずみ)」へ。
JR石川町駅から徒歩約10分、心臓破りの坂ともいわれる地蔵坂を上った先、山手本通りと突き当たるあたりにあります。
「季節の喫茶 吉住」は、9月に神奈川新聞に掲載され、「アド街」石川町の回ではテロップで登場しました。
営んでいた宿から命名
店主は千葉県・木更津出身の稲毛ひろ美さん。店名の「吉住(よしずみ)」は、おばあさまと営んでいた「宿 吉住」の想いを受け継いだもの。喫茶店が好きという店主さんは、宿の仕事をこなしながらイベントなどでコーヒースタンドを出店し、いずれはお店を持ちたいとの思いを温めていました。東京・新宿南口の但馬屋珈琲店で勤めていたこともあるのだとか。
そんな喫茶店好き・コーヒー好きな店主さんが使っているのは、木更津「ブラジル屋」のコーヒー豆。ブラジル屋は自家焙煎のコーヒー豆屋さんであり、店主さんが目指す雰囲気の喫茶店でもあります。
コンセプトは旅館のラウンジ
「たまに遊びに来ていた程度」だった縁もゆかりもない横浜の地にお店を構えたのは、偶然出会ったこのお店の雰囲気が気に入ったから。元は焼き物のうつわ屋さん。2020年3月に開店。
コンセプトは旅館のラウンジ。カウンターと4人掛けテーブルがふたつ、2人掛けテーブルがひとつ。ゆったりとしていて、ホッとする空間が広がります。
カウンター席に座ると、窓の外には山手の住宅地の屋根と広い空。こちら側の山手の景色を見るのは初めてかも。この日は曇天でしたが、晴れていたらさらに気持ちよさそう。
1杯ずつ淹れるネルドリップコーヒー
コーヒーは「今月の珈琲」を含めてこの日は8種類。1杯ずつネルドリップで提供します。
深煎りとのことで「今月の珈琲 トラジャ カロシ」を。「チョコレートケーキとの相性も抜群」と書かれているので、チョコレートケーキとともに。
ネルドリップのようすをカウンター越しに見せていただきました。陶器の円錐ドリッパーにネルのフィルターをセットするスタイルです。ネルは15枚ぐらい用意してあり、管理しながら使っているんですって。コーヒー豆16gで150~160ccのコーヒーを抽出。
トラジャ カロシは、深煎り豆ですが苦すぎない苦味、ネルドリップならではのコクを感じ、スッキリとした味わい。
手作り甘味メニューはコーヒーとマッチ
チョコレートケーキは店主さんの手作り。中はしっとり、ねっとりしていてテリーヌのよう。霧笛楼の「横濱煉瓦」が思い浮かぶ濃厚な味わいです。トラジャ カロシのコクが濃厚なチョコレートケーキにマッチします。
このほか「甘味」メニューは、自家製の「ぜんざい(温・冷)」「チーズケーキ」「プリン」「チョコチップクッキー」のほかに、元町香炉庵の「黒糖どらやき」、木更津かずさ屋「落花生」があります。
一緒に行った元マスターは「吉住オリジナルブレンド」と「プリン」を。
吉住オリジナルブレンドは浅煎りモカと中煎りペルーの2種類をブレンドしたもの。コーヒーのブレンドは3種類以上の豆をブレンドすることが多く、「2種類」というのはシンプルな組み合わせだけになかなか難しいようです。
お昼に10食限定で提供している「焼魚定食」の食後に飲むコーヒーをイメージし、いろいろ試し、さっぱりしていて香りもよい、この2種類のブレンドに決めました、とのお話でした。
プリンは店主さんの地元である千葉県・フルヤ牛乳の「おいしいかずさ牛乳」を使用したもの。元マスター曰く「牛乳と卵そのまま、プリンらしいプリン」だそう。次は私も食べてみようと思います。
もうずいぶん前からここにある雰囲気を醸し出す、季節の喫茶 吉住。静かにひとりの時間を楽しむもよし、店主さんとの会話を楽しむもよし。大人の集う落ち着いた空間で、店主こだわりのハンドドリップコーヒーを堪能あれ。
■ 季節の喫茶 吉住(よしずみ)※2023年8月に閉店
住所:横浜市中区柏葉109-3
営業時間:11:00~19:00
定休日:月、火曜 ※祝日は営業する場合あり、その他不定休あり
電話番号:045-263-8433
アクセス:JR石川町駅から徒歩約10分
2023年12月26日に伊勢佐木町7丁目に移転オープン
▼ CAFE YOSHIZUMI
https://www.instagram.com/cafe_yoshizumi/
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