ポケモンバトルの世界チャンピオンを決定する大会「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」が、2023年8月11日~13日まで横浜・みなとみらいのパシフィコ横浜で開催。
アジア初・日本初となる同大会の舞台としてなぜ横浜市が選ばれたのか、ポケモン(ポケットモンスター)と横浜の関係はいつから始まって、「ピカチュウ大量発生チュウ!」はどのように進化してきたのか、横浜ウォッチャーが振り返ります。
- 「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」が横浜で初開催
- 2014年に始まった 「ピカチュウ大量発生チュウ!」
- 流れが変わった2016年の「Pokémon GO」の配信
- イーブイも加わるなど内容がどんどん進化
- 「ピカチュウ大量発生チュウ!」集大成となる2019年
- 「WCS横浜みなとみらいイベント」開催中
「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」が横浜で初開催
「ポケモンワールドチャンピオンシップス」は、ポケモンバトル(『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』、ポケモンカードゲーム、『ポケモンGO』、『ポケモンユナイト』)の世界チャンピオンを決定する大会です。世界各国の予選を勝ち抜いた選手たちが大好きなポケモンたちといっしょに世界一を目指す、年に一度のトーナメント大会です。
2004年にアメリカではじまり、前回の2022年は、初めてアメリカ以外の地となるイギリス・ロンドンで開催、大成功を収めました。2023年は初めてアジア地域で開催され、日本・横浜が舞台として選ばれました。8月11日~13日までパシフィコ横浜で熱いポケモンバトルが繰り広げられています。これを記念し、みなとみらい周辺で数々のイベントが行われ、大会を盛り上げています。
今回の「ポケモンワールドチャンピオンシップス」の誘致につながったのは、間違いなく、2014年にみなとみらいを中心に開催されたイベント「ピカチュウ大量発生チュウ!」でしょう。
2014年に始まった 「ピカチュウ大量発生チュウ!」
2014年8月、横浜市文化観光局から私宛に1通のメールが届きました。その内容は「ピカチュウがみなとみらいを散歩するので取材に来ませんか」という案内でした。
この年は、1月から放送がスタートしたアニメ『妖怪ウォッチ』が子どもたちの間で大流行していました。ポケモンはその人気の陰に隠れるような状況だったと記憶しています。
「なぜ今、横浜市がポケモンとコラボするのだろう?」という疑問を持ちながら、取材に伺いました。このイベントこそが、「ピカチュウ大量発生チュウ! at 横浜みなとみらい」。2014年8月11日~17日まで開催され、サプライズでランドマークプラザをピカチュウが行進する様子などを取材させていただきました。
ピカチュウが登場する時間が事前告知されていないこともあり、出待ちや場所取りをしている人はいませんでした。往来する人々も「あっ、ピカチュウだ」「かわいいね~」といった反応でした。
私はポケモンのゲームに触れる機会がなく、アニメも観ていません。が、間近で見るピカチュウは愛嬌があって可愛らしく、行進したり、ダンスしたりする様子にキャラクターの持つポテンシャルを感じました。
流れが変わった2016年の「Pokémon GO」の配信
2015年は横浜市主催の「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2015」と連動し、「踊る? ピカチュウ大量発生チュウ!」と題して2015年8月8日~16日に開催。横浜赤レンガ倉庫でのファイナルイベントでは、50匹のピカチュウと約5000人超の来場者とともに、ピカチュウダンスで締めくくり、大成功を収めました。
大きく流れが変わったのは2016年。同年7月にスマホゲーム「Pokémon GO」の配信が開始され、欧米だけでなく日本でも大ヒットし、ポケモンに脚光が当たります。老若男女問わず、ポケモンやピカチュウが日常生活に浸透していきました。この年には、横浜市と株式会社ポケモンが2020年までの協力協定を締結しています。
2016年は「ピカチュウ大量発生チュウ!~今度はぬれるんだって???~」と題し、2016年8月7日から14日まで開催。横浜赤レンガ倉庫での「ずぶぬれスプラッシュショー」などが加わりました。
イーブイも加わるなど内容がどんどん進化
その後、「ピカチュウ大量発生チュウ!」は2019年まで続きます。
2017年は「ピカチュウだけじゃない ピカチュウ大量発生チュウ!」と題し、8月9日~15日に開催。イベント史上最大となる、ピカチュウ100匹が登場し、日本大通りで「ピカチュウ・カーニバル・パレード」を繰り広げました。
11体のピカチュウがボートに乗って、日本丸メモリアルパークとカップヌードルミュージアムパーク前を往復する「船上ピカチュウ」も初めて実施。ボートの上にぎっしり詰まったピカチュウがシュールでした。
2018年は8月10日〜16日の期間、「ピカチュウ大量発生チュウ!『SCIENCE IS AMAZING かがくのちからってすげー!』」と題し、初めて夜開催のイベントが行われます。印象に残っているのは「ピカチュウの大行進」の夜バージョン。グランモール公園で、アフロヘア&電飾衣装をまとったピカチュウたちがダンサーとともに息の合ったダンスを披露してくれました。
また、この年はイーブイが初登場。「イーブイの大行進」が横浜赤レンガ倉庫近くの新港中央広場で行われました。行進するだけでなく、フォークダンスを踊る様子に目が釘付けになったことを思い出します。
「ピカチュウ大量発生チュウ!」集大成となる2019年
2019年の「みなとみらいの街×ピカチュウ」では、のべ2000匹のピカチュウが発生。
横浜美術館全体を背景に、LEDの衣装を身にまとったピカチュウたちが、プロジェクションマッピングと連動した光のパフォーマンスを披露。約25分間、息つく暇もないパフォーマンスは「ピカチュウ大量発生チュウ!」の集大成だと感じました。
振り返ると、「妖怪ウォッチ」全盛期の2014年に横浜市がポケモンとコラボしたことは大英断だったと思います。今回の「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」の誘致にもつながり、まさに先見の明があったといえるでしょう。
私自身も初めて取材した時、「ピカチュウ大量発生チュウ!」が横浜に大きな経済効果をもたらすイベントに育つとは想像できませんでした。1回目から取材の機会を与えていただきました横浜市文化観光局をはじめ関係者の皆様に感謝を申し上げます。
「WCS横浜みなとみらいイベント」開催中
「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023横浜みなとみらいイベント(WCS横浜みなとみらいイベント)」は、「ポケモンワールドチャンピオンシップス2023」の横浜での開催を記念するもので、2023年8月8日~14日までの期間、みなとみらい21地区を中心に次のようなイベントが行われます(開催日時はイベントにより異なります)。
・ポケモン夏祭りパーク(事前抽選制)
・Pokemon Fantastic Live Show
「We Move!!」(事前抽選制)⇒初日レポ
「Imagination! Into the Next!!」(事前抽選制)
「Pikachu Gathering!!」(観覧自由)⇒初日レポ
「Let's Celebrate! The Pokemon Parade!!」(事前抽選制)⇒現地レポ
・ポケモントレーナーズクルーズ(当日先着順)
・ポケモンアクティビティゾーン(当日先着順)
・ポケジェニック・公共交通機関の装飾(観覧自由)⇒現地レポ
・ポケモン×NHK交響楽団 スペシャルオーケストラ 2023(有料)⇒アーカイブ
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