新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)が2024年に迎える30周年に向けて、2022年7月1日から「あの銘店をもう一度」プロジェクトをスタート。過去に出店したことのある約40店舗の銘店が2年間かけ3週間のリレー形式でラー博に出店する、ラー博史上最大のプロジェクトです。
第6弾として10月14日~11月3日まで岡山・笠岡「中華そば坂本」が出店。スープ・タレ・チャーシュー・脂をすべて「鶏」のみで作る、シンプルな1杯が味わえます。
岡山・笠岡「中華そば坂本」について
第6弾となる岡山・笠岡「中華そば坂本」は1958年創業。現存する最古の笠岡ラーメンの店といわれています。当時首都圏においてまだ紹介されていない、地域に根ざしたラーメン文化をもつエリアの店舗を期間限定で紹介していく「Discover郷土ラーメン Raumen Explorer みんなのふるさとラーメン」第3弾として、2010年3月6日~2011年4月10日に出店していました。
笠岡ラーメンは、戦前からすでに十数ヵ所の食堂で「中華そば」として提供されていました。笠岡には全盛期には300軒もの養鶏場があったことから鶏肉専門の精肉店が多く、安価で大量に入手できたことから、「鶏」を使用した中華そばが誕生したとのことです。
「中華そば 坂本」も創業者の坂本勇さんが鶏専門の精肉店を営んでおり、その隣りで中華そばを提供したのが始まりでした。最大の特徴は、タレ・スープ・チャーシュー・脂とすべて「鶏」だけで作られていること。しかもこの「鶏」は短期間で出荷する若鶏ではなく、のびのびと育てられた親鶏のみを使うのがこだわりです。現在は、二代目の坂本英喜さんがその味を守っています。
すべて「鶏」のみで作る味が特徴
鶏ガラをじっくり煮込んだ澄んだ淡麗スープ、ブレンドした醤油で鶏肉を煮込んだタレ、その煮込んだ鶏肉を使った鶏チャーシュー、そして上質な鶏油と、まさに鶏のみが味の決め手となっているのが特徴です。
まずはスープを一口。少し薄めに感じました。麺は笠岡市内の大半のお店が仕入れている丸新麺業の低加水(=小麦に加える水が少なめ)の中細ストレート麺。ややかためでパツパツ。噛みしめると麺の旨味が広がります。
鶏チャーシューには育成日数が1000日以上の親鶏を使用。親鶏はかための食感が特徴で、麺と同様にこちらも噛みしめると旨味が増します。
青ネギも笠岡ラーメンの特徴とのこと。中華そば坂本ではざっくりと斜めに切った青ネギがのっています。メンマは太めの拍子木型でアクセントに。
食べ進めていくうちに、麺は柔らかく、スープには鶏チャーシューの味が溶けだして濃くなっていきます。
超シンプルでじんわりとおいしい、懐かしさを感じるラーメンでした。首都圏ではなかなか食べられない味ですのでぜひに。
笠岡「中華そば 坂本」の出店は11月3日まで。「あの銘店をもう一度」プロジェクトの第7弾(11月4日~11月24日)は北海道・札幌「名人の味 爐(いろり)」、第8弾(11月25日~12月15日)は久留米「大砲ラーメン」となります。
新横浜ラーメン博物館 概要
住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
入場料:大人380円、小中高生・60歳以上100円 ※このほか、6ヶ月パス(500円)、年間パス(800円)があります
営業時間:平日 11:00~21:00、土日祝 10:30~21:00 ※変動する場合あり
アクセス:JR新横浜駅より徒歩5分、横浜市営地下鉄 新横浜駅8番出口より徒歩1分
URL:https://www.raumen.co.jp/
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