通算100作目となるNHK連続テレビ小説『なつぞら』の放送に合わせて、ドラマ制作の舞台裏や歴代の作品を紹介する「NHK連続テレビ小説『なつぞら』&『“朝ドラ”100展』」が、2019年4月24日(水)から横浜高島屋ギャラリー(8階)で始まりました。
会場内は、『なつぞら』ゾーンと『“朝ドラ”100』ゾーンに分かれています。
『なつぞら』ゾーンでは、登場人物と一緒に写真が撮れるフォトスポットやセットを再現したコーナー、出演者の衣装、小道具などが展示されています。
『“朝ドラ”100』のゾーンでは、1961(昭和36)年放送の第1作『娘と私』から第100作『なつぞら』までの番組ビジュアルを一挙公開。懐かしのオープニング映像の上映や、『あまちゃん』などの衣装、小道具、『ひよっこ2』のタイトルバックに登場するミニチュアセットなどが展示されています。
泰樹役・草刈正雄さんが来場
初日には『なつぞら』で両親を亡くした主人公・奥原なつを育てる酪農家 柴田泰樹(たいじゅ)を演じている俳優・草刈正雄さんが来場。展示を見て回りながら、“朝ドラ”撮影のエピソードを語りました。
「大森寿美男さんのすばらしい脚本を読むたびに、いつも涙なみだしております。僕の役につきましても、なかなかいいせりふを吐かせていただいて……役者冥利に尽きます」(草刈さん)
牛の出産シーンについて、草刈さんは「本物の牛と(この人形を)混ぜて撮影したのですが……ほぼ本物でしたね」と説明。
ベテラン酪農家を演じるにあたり、「撮影に入る前に地元の方に搾乳を教わったのですが……これが難しくて。(広瀬)すずちゃんや、こなつ(=子ども時代のなつを演じた粟野咲莉)ちゃんはうまいんですね。で、何とか(乳が)出るようになったかと思ったら、バケツに入らないんですね。手こずりました」と舞台裏を明かしました。
菓子屋 雪月のセットの前では、多くの人が心を打たれた、子ども時代のなつ(=こなつちゃん)と一緒にアイスクリームを食べるシーンについて「いいシーンでしたね。こなつちゃんとの、長い、通しのシーンなんですが、『すみません、もう1回やらせてください』って。プロ根性でね。涙がうまく出なかったようなんです。撮り直しまして。2回目は途中から涙が……。すごくいいシーンになりました。本人も満足していました」と、振り返りました。
番組の題字・タイトルバックを担当するアニメーター・刈谷仁美さんが手掛けたイラストのデジタル原画、そのイラストを表紙に使った台本なども展示されています。「(イラストが入った表紙を見ながら)可愛いらしいですね。なつちゃんが少女からだんだん成長して、大人の女性になっていって。楽しいですよね」(草刈さん)
▲雪のシーンで使われた人工雪の展示も
『“朝ドラ”100』ゾーンでは、過去に出演した作品のポスターを見ながら、当時の思い出を語りました。
「“朝ドラ”に初めて出演したのは、博多が舞台の『走らんか!』でしたね。福岡出身なので、わくわく・ドキドキしましたね。楽しかったです。方言には苦労しませんでした。2本目は『私の青空』。主人公の親子の隣りに住む、変わったおじさんの役でしたね。(ポスターを見ながら)太陽くんもずいぶん大人になったんでしょうね。2000年……もう19年も前になるんですね」と驚く草刈さん。
「『なつぞら』では、歴代のヒロインも出演していて。娘の富士子は『ひまわり』のヒロイン・松嶋菜々子さんで。(なつの同級生)天陽くんのお母さんは『おしん』のヒロイン・小林綾子さんで。豪華ですね」(草刈さん)
「『雲のじゅうたん』(昭和51年放送第17作、ヒロイン:浅茅陽子)はまだ九州にいる時に見ていました。懐かしいですね。その時の思い出が浮かんできます。来場される皆さんも、そういったことを思い浮かべながら会場を巡って、楽しんでいただければ」(草刈さん)
“朝ドラ”の魅力について、「最近は、ワンクール(3ヵ月)のドラマが多いので、役に入りかけるかなというころに撮影が終わってしまうんですけど、“朝ドラ”の場合は半年間なので、ホントの家族みたいになってくるんですね。それが一番の魅力ですね。楽しいです。
『なつぞら』は北海道が舞台で、ロケ地としては最高ですね。自然豊かで、動物とも触れ合えて。そして、新鮮だなと思ったのは、なつちゃんがご両親がいらっしゃらないこと。違う家族に育てられるというのも、作品の魅力でしょうね」と語りました。
『なつぞら』の今後の展開について「まだ撮影が残っています。泰樹は……長生きするそうです。大森さんが北海道のトークイベントで言っていたから……言っていいですよね。長く演じさせていただきます」と、笑顔で明かしました。
■NHK連続テレビ小説「なつぞら」&「“朝ドラ”100」展
期間:2019年4月24日(水)~5月6日(月・休)
場所:横浜高島屋ギャラリー(8階)
入場時間:10:00~19:30(20:00閉場)※最終日は17:30まで(18:00閉場)
入場:無料
【関連記事】