2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に登場する中川大志さんが演じるイケメン武将・畠山重忠。二俣川の戦いで悲壮な最期を遂げた地とされる横浜市旭区の鶴ヶ峰周辺には、いくつかの史跡があります。相鉄 鶴ヶ峰駅周辺の史跡を巡ってみました。
畠山重忠と旭区の関係について
畠山重忠は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて活躍した武将。現在の埼玉県深谷市に生まれ、もともとは平家に仕えていました。源平の合戦の中で頼朝に起伏、鎌倉幕府誕生に尽力しました。義経とともに一の谷や屋島で平氏と戦い、多くの功績を遺しただけでなく、謹厳実直な人柄から「鎌倉武士の鑑(かがみ)」といわれています。しかし、頼朝が亡くなった後の幕府内の権力抗争に巻き込まれ、執権・北条時政の謀略により現在の横浜市旭区で命を落としました。
終焉の地は旭区鶴ヶ峰
畠山重忠は、いとこにあたる稲毛重成の「鎌倉に異変あり」という偽りの招きにより、館を構える現在の埼玉県から鎌倉へ向かう途中、北条時政の次男である義時を大将とする幕府軍数万騎に攻められ敗北しました。その場所が旭区の鶴ヶ峰です。
鶴ヶ峰は相鉄線で横浜駅から15分ほど。北条軍との合戦の主戦場は鶴ヶ峰駅の北西部と伝えられています。
畠山重忠公碑
鶴ヶ峰駅から10分ほど旭区役所方面に歩き、厚木街道を渡った交差点の角、帷子川を見下ろす場所にあります。この碑は、重忠没後750年を迎えた1955年に鶴ヶ峰と、重忠のふるさとである埼玉県深谷市の有志により建立されました。
碑のとなりには「さかさ矢竹」があります。重忠が矢に当たった際、「我が心正しかればこの矢にて枝葉を生じ繫茂せよ」と二本の矢を地面に突き刺したところ、やがてこの矢が自然に根付き、毎年2本ずつ生えて茂り続けて「さかさ矢竹」と呼ばれるようになったといわれています。
現在生えているこのさかさ矢竹は、旭区の有志が没後800年を記念して、再びその繁栄を願ってこの地にあらためて植えたものだそう。
首塚・首洗い井戸
畠山重忠の「首塚」は旭区役所裏の路地にひっそりと佇んでいます。重忠の首はこの辺りで斬られたといわれています。
首塚のすぐ近く、旭区役所の裏には「首洗い井戸」の支柱が立っています。当時は井戸があったとのことで、重忠の首はこの井戸で洗い清められ、鎌倉に送られました。
駕籠塚(かごづか)
畠山重忠公碑から国道16号をはさんで500mほど離れた高台にある「駕籠塚(かごづか)」。
重忠の内室「菊の前(最初の妻:足立遠元の娘)」が合戦の知らせを聞いて駆けつけるも、重忠の戦死を聞き、乗ってきた籠ごと埋葬されたと伝えられていることから「駕籠塚」と名付けられたそうです。
以前は、隣接する浄水場の敷地内にありましたが、場外に移され1974年に現在の姿に整備されました。
史跡巡りには「畠山重忠ゆかりの地マップ」が便利!
史跡巡りには、旭区が発行する「畠山重忠ゆかりの地マップ(改訂版)」が便利です。「鎌倉殿の13人スペシャルトーク in 横浜」で足立遠元を演じる大野泰広さんがこのマップについて「いろいろ書かれていてビックリ」と話していました。
史跡巡りのコース紹介をはじめ、旭区が指定する「あさひの逸品重忠ブランド」のグルメなどが記載されています。
WEBやアプリ(Avanza Maps)でも見られますので、チェックしてみてください。
URL:https://www.city.yokohama.lg.jp/asahi/shokai/rekishi/shigetada.html
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