JR桜木町駅 南改札脇にある、そば屋さん「川村屋」が2023年3月末をもって閉店することになりました。同店の創業は1900年、なんと明治時代のこと。123年の歴史に幕を下ろす前に食べ納めに行ってきました。
明治創業の「川村屋」について
JR桜木町駅の改札を出ると、いつも出汁のよい香りが漂っています。立ち食いそば・うどん「川村屋」さんの歴史は、現在の桜木町駅が「横浜駅」だったころにさかのぼります。
日本初の鉄道が開業したのは1872(明治5)年。現在の桜木町駅が「初代・横浜駅」でした。その28年後の1900(明治33)年、川村屋は初代・横浜駅の食堂として創業。当時の総理大臣・伊藤博文を通じて営業許可を得て開業しました。
店内に掲示されている新聞記事によると、最初は西洋食堂で1969年に店舗を借り増した時、そば屋を始めたそうです。
2014年のCIAL桜木町の開業に合わせて、現在の「停車場ビュッフェ」に移転。桜木町駅とともに歴史を刻んでいる桜木町駅のシンボル的なお店といえるでしょう。ちなみに川村屋という店名の由来は、資料が焼失したためわからないようです。
一番人気は「とり肉そば・うどん」
同店の一番人気メニューは「とり肉そば・うどん(390円)」。入口に「桜木町駅名物 何にしようか迷ったら名物ならハズレ無し!」と掲示されているほど。というわけで「とり肉そば」をチョイス。
券売機で食券を購入し、食券を置く際におばちゃんにそばか、うどんのどちらにするか伝えます。おばちゃんがすぐに麺を茹で、手際よく盛り付けてくれます。
「とり肉そば・うどん」には、ぶつ切りの鶏肉とそぼろがトッピングされています。鶏肉は山梨県産のブランド鶏を秘伝のタレで煮込んだもの。これに玉子(50円)を追加しました。
見た目は濃いが、スッキリとした味わいの出汁
川村屋の自慢は何と言っても、天然だしを贅沢に使った手作りの「お汁」。出汁取り一筋数十年のおばちゃん達によるものだそう。見た目は濃いのですが、鰹節の風味が香るスッキリとした味わいで飲み干しました。
また別の日には、「文春オンライン」の記事で読んだ「てんぷら」そばを。出汁がしみるとおいしさが倍増します。
川村屋がお店を閉める理由は、後継者がいないからだそう。この味が楽しめる日も、あとわずかです。
川村屋 概要
住所:横浜市中区桜木町1
営業時間:6:30~20:00 日・祝 7:30~20:00
定休日:なし
アクセス:JR桜木町駅 南口改札横
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