新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)によるラーメンコンテスト「佐野実メモリアル ラーメン登龍門2024」で第3位となった「手打ち麺 あお井(From とら食堂福岡分店)」が2024年7月5日から15日までラー博に出店。呉汁をヒントにした独特のスープの味噌ラーメンを味わってきました。
- 「ラーメン登龍門2024」について
- ラー博・一風堂のアルバイト⇒とら食堂福岡分店店主へ
- 娘さんの名前を屋号に
- 1日120食限定の手打ち麺は食べられず
- 味噌の原料・大豆を活かしたスープ
- 新横浜ラーメン博物館 概要
「ラーメン登龍門2024」について
ラー博が30周年企画の一環として、ラーメン職人の隠れた潜在能力や新たな才能を発掘するラーメンコンテスト「佐野実メモリアル ラーメン登龍門2024」を実施。テーマは「国産小麦の風味と旨味を生かした味噌ラーメン」。書類審査と面接審査の選抜を通過した8名が、2024年6月2日の最終選考(決勝戦)に臨みました。
優勝は「博多文福」、第2位は「らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵」、第3位は「手打ち麺 あお井(From とら食堂福岡分店)」。この3店舗がラー博に期間限定で出店します。
詳細は「All About ニュース」の記事をご参照ください。
ラー博・一風堂のアルバイト⇒とら食堂福岡分店店主へ
まず第3位となった「手打ち麺 あお井(From とら食堂福岡分店)」が7月5日〜15日に出店。店主の和田響さんは横浜市生まれ。なんと、大学1年生から「一風堂 新横浜ラーメン博物館店」でアルバイトしていたそうです(1999年~2001年)。大学卒業後に一風堂(株式会社力の源カンパニー)に入社。2011年に社内暖簾分け制度により一風堂を退社し、暖簾分け店主として、一風堂薬院店をはじめ、一風堂金沢香林坊店(2013年)、一風堂横浜西口店(2015年)を運営しました。
そんな和田さんですが、現在は「とら食堂福岡分店 店長」という肩書きとなっています。「とら食堂」といえば、福島県の名店。なぜ、福岡に……?
その理由は、一風堂の創業者 河原成美さんと、白河「とら食堂本店」の竹井和之さんが旧知の仲で、河原さんが福岡にも「とら食堂」を出してほしいと要望したこと。が、竹井さんは自分たちは人手がいないので一風堂で人を出してくれるのであれば、と、2016年に「とら食堂福岡分店」が福岡市中央区にオープンしました。
和田さんはオープン時には関与していませんでしたが、いずれは「とら食堂福岡分店」で働きたいとの希望を河原さんに伝えており、翌年の2017年、当時の店長が退職するのを機に、店長に就任したのです。
「一風堂」は豚骨ラーメン、「とら食堂」は醤油ラーメン。福岡には味噌ラーメンの店が少ないため、いつかは福岡で味噌ラーメンのお店を持ちたいとも考えていた和田さん。味噌ラーメンをテーマにした今回の「ラーメン登龍門」はまたとない機会だったのです。
娘さんの名前を屋号に
今回は「とら食堂」とは全く違うラーメンを出すため、誤解や迷惑をかけないよう屋号を変えることにした和田さん。
「屋号をどうしようか考えていたところ娘から『私の名前(あおい)にして!』と言われました。そのままだとちょっと照れるので『あお井』としました」と説明しています。そして、和田さんは将来、この屋号で福岡に店を出すことを目指しています。
1日120食限定の手打ち麺は食べられず
今回の「ラーメン登龍門2024」のテーマは「国産小麦の風味と旨味を生かした味噌ラーメン」。
和田さんは、味噌ラーメンの力強いスープに負けない麺にするため、コシの強い国産小麦「ゆめちから」、風味の良い「キタノカオリ」を選定。水分の多い「多加水麺」にして、3~4日間熟成させたものを使用しています。
ラー博の製麺室で手打ち麺をつくり、1日120食限定で提供。残念ながら、私が訪れた夕方には手打ち麺は完売しており、食べられませんでした。
手打ち麺のほかに、機械製麺も平打ち麺も用意されています。今回は「味噌ラーメン(レギュラー)(税込1000円)」をチョイス。
味噌の原料・大豆を活かしたスープ
スープは麺の原料である小麦同様、味噌の原料である大豆を活かすというコンセプト。郷土料理である「呉汁」がヒントになっているそう。
スープのベースは、しっかりと白濁させたとんこつ。大豆をすり鉢ですり潰し、白味噌と赤味噌をブレンドしたものに背脂やバターを加えることにより、味噌汁っぽくならず、しっかりとラーメンを感じる深い味わいに仕上がっています。
「すみれ」などガチの味噌ラーメンに比べると味噌の風味は弱めですが、スープはドロっと濃厚。すりつぶした大豆が麺にからんできます。スープを飲むだけでお腹にズシリときます。
具材はエリンギとメンマの角切り、水菜や白ネギ。さまざまな食感が楽しめるように工夫されていました。チャーシューは大判の肩ロース。彩りとピリ辛アイテムとして糸唐辛子かあしらわれています。
他では味わえない、オンリーワンの1杯でした。「あお井」の出店は7月15日まで。7月18日からは「ラーメン登龍門2024」第2位の「らーめん愉悦処 鏡花 八王子想庵」が出店します。
新横浜ラーメン博物館 概要
住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
入場料:大人450円、小中高生・65歳以上100円 ※このほか、年間デジタルパス(500円)、年間アナログパス(800円)があります
営業時間:平日 11:00~21:00、土日祝 10:30~21:00 ※変動する場合あり
アクセス:JR新横浜駅より徒歩5分、横浜市営地下鉄 新横浜駅9番出口より徒歩3分
URL:https://www.raumen.co.jp/
【関連記事】