新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)が国産小麦の奥深い魅力を「体感」と「味わい」で伝えるイベント「ニッポン小麦紀行」。第4弾となる「六角家1994+」の「湘南ゆめかおり~家系仕立て~」を食べてきました。
- 「ニッポン小麦紀行」について
- 「六角家1994+」について
- 湘南藤沢小麦「ゆめかおり」100%使用
- 「ゆめかおり」を使った麺は蕎麦のような見た目
- 麺に負けないようスープに加えた自家製のニンニク油
- 新横浜ラーメン博物館 概要
「ニッポン小麦紀行」について
ラー博は、国産小麦の需要拡大と普及を目的とし、その魅力を発信するラーメン企画「ニッポン小麦紀行」を2025年5月8日から7月2日まで開催。
期間中は、出店中の8店舗が週替わりで、それぞれの出店地域で収穫された国産小麦を使ったオリジナル麺を創作ラーメンとして提供します。第4弾(5月29日~6月4日)は「六角家1994+」の「湘南ゆめかおり~家系仕立て~」でした。
「六角家1994+」について
「六角家」は、かつて「吉村家」「本牧家」と並び、家系(いえけい)御三家の1つとして名を馳せた、横浜のラーメン店です。1994年にはラー博にオープニングメンバーとして出店(2003年5月卒業)。2024年4月にラー博の「あの銘店をもう一度」プロジェクトの大トリで再出店し、そのままとレギュラー店として復活しました。
屋号の「六角家1994+」はラー博に出店した1994年当時の味を、30年間の技術と経験により進化(+)させたという意味が込められています。
湘南藤沢小麦「ゆめかおり」100%使用
「ニッポン小麦紀行」は、本店のある地域の地産小麦を使用するのがコンセプト。しかし、神奈川県は都市部の比重が大きく、小麦の生産量は全国47都道府県中41位(2024年度 農林水産省 都道府県別作物統計)と、神奈川県産の小麦は希少なのです。
そんな中、神奈川県藤沢市にある地域密着型のベーカリー「長後製パン」から同社で栽培した「ゆめかおり」という品種を分けてもらうことに。この「ゆめかおり」は「湘南藤沢小麦」というブランド名で2009年から栽培されているもので、小麦の栽培からパン作りまで一貫して手がけるこだわりの逸品です。
ラー博が確保したのは約800食分。そのため、「湘南ゆめかおり~家系仕立て~」の提供は、他よりも少なめの1日100食限定となり、早々に完売する日もありました。
「ゆめかおり」を使った麺は蕎麦のような見た目
「湘南ゆめかおり~家系仕立て~」(税込1300円)の麺は神奈川県産「ゆめかおり」100%。切り刃16番という太麺です。
見た目は茶色がかっていて蕎麦のよう。食べてみるとコシがあって、湘南藤沢小麦の力強い風味を感じます。
食感、味ともに通常の麺よりも主張していました。この麺は収穫量の少なさや原料確保の難しさ、小ロットでの製粉といった背景もあり、通常の約2.5倍のコストがかかっているとのことです。
麺に負けないようスープに加えた自家製のニンニク油
スープも家系ラーメンのそれとは、まったく別ものでした。ベースは大釜で炊き上げた濃厚な豚骨スープですが、通常のラーメンには入っていない「自家製 焦がしニンニク油」が加えられています。
ごま油をベースに、みじん切りにした背脂をカリッとする直前までじっくり揚げたものを一旦取り出し、そこに三段階(きつね色、茶色、黒色)に揚げ分けた刻みにんにくを投入。それらを取り出し、さらに、すり鉢で混ぜ合わせて香りを引き出し、香り付けした油に戻すという、手間も時間も惜しまない特製のニンニク油だそう。
通常のラーメンとの違いをより明確に感じられるように、トッピングはあえてチャーシュー、ほうれん草、ネギ、海苔という定番の構成になっています。
ちなみに、「湘南ゆめかおり~家系仕立て~」については通常のラーメンのような「味の濃さ」「油の量」「麺の硬さ」の要望を受け付けていませんでした。
企画の意図通り、国産小麦で作った麺の個性を感じられる1杯でした。
6月5日から6月11日までは第5弾 利尻らーめん 味楽の「北の恵 麦薫るつけ麺」、6月12日から6月18日までは第6弾 龍上海本店の「冷製ゆきちから」が販売予定です。
新横浜ラーメン博物館 概要
住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
入場料:大人450円、小中高生・65歳以上100円 ※このほか、6ヶ月パス(500円)、年間パス(800円)があります
営業時間:平日 11:00~21:00、土日祝 10:30~21:00 ※変動する場合あり
アクセス:JR新横浜駅より徒歩5分、横浜市営地下鉄 新横浜駅9番出口より徒歩3分
URL:https://www.raumen.co.jp/
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