
新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)が国産小麦の奥深い魅力を「体感」と「味わい」で伝えるイベント「ニッポン小麦紀行」。第6弾となる龍上海本店の「冷製ゆきちから」を食べてきました。
「ニッポン小麦紀行」について

ラー博は、国産小麦の需要拡大と普及を目的とし、その魅力を発信するラーメン企画「ニッポン小麦紀行」を2025年5月8日から7月2日まで開催。
期間中は、出店中の8店舗が週替わりで、それぞれの出店地域で収穫された国産小麦を使ったオリジナル麺を創作ラーメンとして提供します。第6弾(6月12日~18日)は龍上海本店の「冷製ゆきちから」でした。
「龍上海本店」について

「龍上海」は1958年に製麺から一貫した自家製ラーメンの店として山形県赤湯町(現在は南陽市)に誕生しました。開店当初は普通のしょうゆ味のラーメンがメインでしたが、当時は今の時代ほどラーメンは消費されず、仕込んだスープも大半が残っていました。
店主(初代)の佐藤一美さんは、残ったスープを自宅に持ち帰り、味噌を入れて食べていたそう。これが看板メニューとなった「赤湯からみそラーメン」の起源です。
「赤湯からみそラーメン」が人気となり、「龍上海本店」は山形県を代表するラーメン店となりました。ラー博には2005年に出店。現在、ラー博の横浜店を含め7店舗を展開しています。

真ん中にトッピングされている「からみそ」を少しずつスープに溶かしながら、自分好みの辛さに調整して食べられるのが特徴です。
山形県産の「ゆきちから」を100%使用

今回の「ニッポン小麦紀行」では、山形県産の小麦「ゆきちから」を100%使用しています。山形県農林水産部によると「ゆきちから」は、グルテンを多く含むため、中華麺にすると弾力性があってコシが強く、伸びにくい特長があるとのこと。山形は「冷やしラーメン」がご当地グルメということで需要が高いことから、現在は小麦作付面積の6割を占めるようになったとのことです。
龍上海三代目店主・佐藤元保さんは、「小麦が限られるなかで、"ゆきちから"だけで納得のいく麺に仕上げるのは本当に難しかった」といいます。
太い縮れ麺は噛みしめるごとに旨みを感じる

今回の「冷製ゆきちから」は、山形県のご当地グルメのひとつ「冷やしラーメン」です。

麺は、龍上海の定番よりも太い14番の太縮れ麺となっています。茹でる直前にしっかりと手もみを施し、茹で上げているとのこと。まずは麺だけ食べると、つるんとした口当たりで噛み応えがあります。噛みしめるごとに旨みが口いっぱいに広がります。
ひんやりとしたスープは、煮干しの風味が強いのが印象的。鶏ガラと煮干しのスープを冷却した後、「追い煮干し」をしているそう。冷製でありながら淡泊ではない、麺の旨みに負けないスープに仕上がっています。
山形の恵みが詰まった具材

具材は、山形の夏の風物詩「だし」に欠かせない納豆昆布と、豚しゃぶ、レモン、そして、龍上海の代名詞である"からみそ"に見立てたもみじおろしが真ん中にトッピングされています。
もみじおろしの唐辛子は、地元・山形赤湯産の南蛮粉をぜいたくに使用したもの。からみそと同じく、少しずつ溶かして味変しながらいただきます。マイルドな辛さで「冷やしラーメン」にマッチします。

納豆昆布は、昆布を細切りにして、ネギと一緒にねばねばに混ぜたもの。ネギの風味が勝っているような気がして、ネギだけよけ昆布だけにして、麺と一緒にすすりました。麺と昆布の旨みが合わさり、とてもおいしかったです!

豚しゃぶは2枚入っていて、なかなかボリュームがありました。レモンを絞るとさわやかさがアップ。山形の食文化をギュッと詰め込んだ1杯を堪能できました。
6月19日から6月25日までは第7弾 琉球新麺 通堂の「~にしのかおり~伊江島産小麦の魚介醤油つけ麺」、6月26日から7月2日までは第8弾 博多一双が販売予定です。
新横浜ラーメン博物館 概要
住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
入場料:大人450円、小中高生・65歳以上100円 ※このほか、6ヶ月パス(500円)、年間パス(800円)があります
営業時間:平日 11:00~21:00、土日祝 10:30~21:00 ※変動する場合あり
アクセス:JR新横浜駅より徒歩5分、横浜市営地下鉄 新横浜駅9番出口より徒歩3分
URL:https://www.raumen.co.jp/
【関連記事】